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ドラゴンボールで例える、FGOの読み方

本当はこの記事をFGOのアニメ放映開始に合わせて投下しようと思っていたのですが、「魔法が発達すると農業は本当に発達するか?」の記事が思った以上に長引いてしまいましてw

 

あれについてはまだしばらく続きそうで、このままだと旬が過ぎてしまいそうなので、とりあえず一旦、本記事を投下させていただきたいと思います。

 

 

この記事について

 

本記事はFGOに興味がありながらまだプレイしていない方に向けましてFGOを紹介させていただく主旨の記事です。

 

が、今更私が語るまでもなく、この作品の魅力や進め方などについては既に多くの方が語っていると思いますし、この手のゲームに適性のある方は大体の方がプレイ済みなのではないかと思います。

 

ですので、ここでは少し引いた視点――あんまり興味ないけど、人気があるようだし一度は見てみないとな――という遠巻きに眺めている人向けに、できる限り客観的にFGOというコンテンツについて語りたいと思っています。

 

また、ここで触れるのは主にシナリオ関連の話であり、敢えてバトルなどのゲーム性についてはあまり触れません。

 

確かに色々奥深いゲーム性は存在するのですが、それを感じ取れるかどうかは手持ちのキャラによって異なってきます。やはり奥深さを感じとれるほど手持ちが揃うまでのモチベーションを支えるのはシナリオやキャラクター性となるでしょう。

 

それと、このゲームではユニットとなるキャラクタの事を英霊やサーヴァントと呼び、慣れている方は「鯖(さば)」と略していますが、本記事では客観視点を維持するために敢えて「キャラ」と呼んでいます。

 

そしてそのシナリオを語るにあたって、ある作品をわかりやすい例えとして引き合いに出します。それが、皆さんご存じ「ドラゴンボール」ですw

 

「ギャルのパンティおくれ――っ!!」より先の展開が重要

 

確かにこの二つの作品、「一人の才能のある作家によって描かれたごった煮の世界観」という辺りで共通項が見いだせる感じがするのですが、例えば「ドラゴンボールが7つあって、聖杯も7つあって」みたいな方向では敢えて語りません

 

自分が見いだしている共通項、それは「連載の出だしで間もなく人気の勢いが衰え、試行錯誤の末に人気を回復しさらに不動の人気を誇る作品になった」というところなのです。

 

ドラゴンボールの場合、その試行錯誤が行き過ぎた結果、西遊記をモチーフにした序盤と宇宙の未来を賭けたバトルが行われる終わり付近の作風がまるで違う物になってしまっています

 

FGOの場合そこまでの差はないのですが、序盤はどちらかというと「fateの設定を借りた普通のIF物ファンタジー」の様相で、最初にPCで描かれていたFateらしさみたいなものを感じない作風なのですが、そこからいろいろな試行錯誤が為された末に、現在では他にはない――元のFateとも違う、独特の世界観が展開されるようになっています。

 

それを考慮に入れずに序章、1~2章でFGOを見切ったと思ってプレイを止めてしまうのは、ドラゴンボールで言うところの序盤

 

「ギャルのパンティおくれ――っ!!」


あたりで、あの作品を見切ったと思いこんで読むのを止めてしまうのに等しいわけですw

 

これがいかに「木を見て森を見ず」な行為であるか、ドラゴンボールを知っている方にはよく分かるでしょうw

 

メインストーリーのどこまで読めばいい?

 

では、どこまで読めばいいのか?

 

これについても、とりまドラゴンボールについて語ってみますw 以下、主観が過ぎると思いますが、その辺りは多めに見ていただければw

 

まずドラゴンボールを理解する上で、最低でも「最初の天下一武道会」までは読んだ方がいいと思われます。修行から実戦に至る、このあとのバトル展開のエッセンスはすでにこの辺りで大体詰まっていると思います。

 

そこまで読んでまだ先に進めると思えたのなら、目標として「3回目の天下一武道会」までみるといいと思います。特にその前章の流れ、2回目の天下一武道会からピッコロ大魔王との闘いまではドラゴンボールをスターダムにのし上げた展開であり、基本的にこの後のドラゴンボールは次のマジュニア編を除く全ての編がピッコロ大魔王編のアレンジの繰り返しです。

 

さてそこまで読んだなら、先も難なく読めるでしょう。可能ならその後の「サイヤ人襲来編」を読むのをお勧めします。なにより、ここにはドラゴンボール最大のギミック「スカウター」が出てきます。このわかりやすさとセンスがドラゴンボールという存在を良くも悪くも決定づけたと言っていいでしょう。

 

ここまで見れば情報収集としては大体こなせてると思いますが、余裕があれば次の「フリーザ編」を見てもいいと思います。この辺りがドラゴンボールの(人気ではなく)作品としてのピークであると思います。次の「人造人間編」ではマンネリを打破すべく新境地を開こうとしている雰囲気を感じますが、途中で作品をぶん投げた感じがして微妙ですw

 

(セル編からは微妙にSF臭がしますが、ドラゴンボール終了後に書かれた読み切り短編にSF系の話が多い事から、多分その時期、作者はそういう系の話が書きたかったんだろうなと勝手に思っていますw)

 

いや、ドラゴンボールはいいから

 

……と、長々とドラゴンボールについて書き連ねましたが、これをそのままFGOに当てはめます。

 

FGOを理解する上で、最低でも4章までは見た方がいいと思います。この辺りで、FGOのコンテンツ展開の方向性をある程度見出したと言ってもいいと思います。

 

それまでは前述の通り、「fateの設定を借りた普通のIF物ファンタジー」でしかなかった作品が、ここにきて他にはない独特の世界観を醸しだしています。人気が回復し始めるのもこの辺りです。

 

(ていうか、Fate本来の魅力の一つは、現代社会にファンタジー的なモチーフを持ちこんでいる所にあると思うわけで、にもかかわらず中世の世界観に英霊をそのまま置いたら、それは単なる凡庸なファンタジー物でしかないだろうと思います。個人感ではw)

 

さて、そこまで読んでまだまだ進めると思ったら、目標として7章まで見る事をお勧めします。

 

Fateの生みの親であり、TYPE-MOONをここまでのし上げた立役者である那須きのこ氏が直接テキストに関わっており、FGOの中でも一、二位を争う人気のエピソードです。そして現在アニメ化されて放映されているエピソードでもあります。

 

特に、アニメを見て「なんでこんなのが人気があるんだろう」と思った人は、ここまでゲームをプレイしてその理由を確かめるべきでしょう。

 

7章を読破すれば次の章で第1部は終わります。ついでに第1部を最後まで読んでしまうといいでしょう。そして可能なら、1部と2部との間にある外伝的章で、評価としては第1部7章よりも完成度が高いと言われている「新宿編」を見る事をお勧めします

 

「新宿編」も那須きのこが手掛けているエピソードであり、作風は本編のとある章を彷彿とさせながら、既に本編が終わっているだけの事はあって今までの章にはとらわれない自由な作風で書かれています。

 

ここまで見て余裕があれば外伝4章まで読むのもいいでしょう。一見、展開が原作に追いつきかけた時のアニメのドラゴンボールよろしく「所詮先延ばしなんじゃねーの?」と思う方もいらっしゃるかも知れませんw が、それはとんでもない誤解です。

 

基本的に外伝1~4章のどこかに大体「第2部の伏線や前振り」となっていると思われるネタが仕込まれており、第2部をやっていくと外伝が第2部の序章の役割を果たしていたんだという事が分かってくると思います。

 

これを読む事によって第2部への期待感が高まったのなら、いっそ現時点での最新の話である第2部4章まで読み進めてもいいでしょう。

 

第2部へきて、FGOは今までの作風に寄らないさらに新しい何かをやろうとしています。それにリアルタイムに付き合えるチャンスなのです。今これに乗らない手はないでしょう。

 

さもないと後で、(絶賛されるにしろ炎上するにしろ)「リアルタイムであの空気を感じたかった」と後悔するかもしれませんw

 

あれはアニオリ展開

 

さて、本編の読み進め方は以上のような感じです。が、FGOをプレイする上でもう一つ注意しなければいけない点があります。

 

それは、多くの攻略サイトやレビューサイトで言われている「期間限定イベントは最優先でこなせ」を、プレイし始めたばかりの人は無条件に受け入れてはいけない、ということです。

 

これも敢えてドラゴンボールで例えさせていただきます。期間限定イベント、あれは「TV版のアニオリ展開」です

 

アニオリ展開。と言っても全てのアニオリ展開についてバカにするものでもなく、たとえば

  • 本編の流れから既にこぼれて見向きもされなくなったキャラに敢えて焦点を当てる
  • 本編で説明の不足している部分を補う
  • 今後の展開をやんわりと示唆して視聴者を導く
  • 本来ギャグなのにバトルが続いていつの間にかシリアス一辺倒になってしまった本編に変わってギャグ短編を入れて緩ませる

など、ファンにとってかゆい所に手が届くようなアニオリも多くあります。

 

しかしそれでも所詮はファン向けであり、まだ見始めで感情移入もなにも出来ていない人から見れば内輪ウケっぽい、面白くない、くだらない話に見えてしまうものも少なくないと思います。

 

それでも、FGOのコラボ系イベントはコラボ先の雰囲気を上手く汲み取ってドラゴンボールGTや超の比較的見れる回くらいの感じにはなるのですがw 非コラボイベントはまさにアニオリギャグ回ですw

 

好きな人には思いっきり刺さると思います。しかし、そうでない人、特にFGOを始めてまもなくで話やキャラに対しての思い入れも全くなく、内輪ウケ系に全く嗜好が重ならない人にとっては、あれを読み続ける事は拷問に等しいと思いますw

 

ていうか正直に言いますと、自分がプレイを始めたばかりの頃、限定イベント系は開始から10回の戦闘分も持たずにあとは話をスキップしてましたw 今でこそ大丈夫になってセイバーウォーズⅡも楽しく読ませていただきましたが、多分2年前だったら最初の中ボスが出てくる辺りでギブアップしていたと思いますw

 

もちろん攻略サイトの話が間違っているわけではなく、プレイ効率から言えば圧倒的に期間限定イベントの方がキャラ育成にいいのは間違いないです。また、配布キャラも無料だから性能が低いということもなく、どれも星5が充実するまでは主戦力として十分以上の性能を持っています。

 

イベントを完全にスルーした場合、将来このゲームを気に入った時に「なんで俺はこのイベントをプレイしなかったんだろう」と後悔する日が来るかもしれません。

 

それでも所詮、イベントは本筋とはズレた位置にある「アニオリ展開」なのです。アニオリ展開が見ていられなくてそこで折れてしまいプレイすることを止めてしまえば、せっかくFGOの門をくぐる所まで行ったというのに、その先の真実を体験することなく、FGOについてはギャルパン評価しか出来なくなるわけですw

 

ですので、一度はいきなりイベントに特攻するのもいいと思いますが、無理だと思ったらすぐにメインストーリーに戻る事をお勧めします。

 

また本編の戦闘がきつくなってレベルアップが必要になったけど期間限定イベントをこなすのはやはりツラい、と感じたら期間限定イベントは攻略サイト片手にテキストをスキップして素材だけ集めていくのがいいでしょう。

 

いくつかのイベントには例外的に読むべきところのあるイベントもありますが、そういうイベントは始めて20~30分もやれば大体見当がつくと思います。

 

いつかこのゲームを気に入り、じっくりと長くやってみようと思った時。そこで初めて期間限定イベントをじっくりと読み進めていく。今から始める人ならそれで問題ないと思います。

 

最後に 

 

ホント、最初は「主人公のポジションは、三蔵法師やブルマというより悟飯のポジションにチャオズを置いた感じ」とか、「でえじょうぶだ、カルデア召喚システムでみんな生きけえる」とか、そういう方向性の記事を書こうと思っていたのですがw 書いているうちにネタに詰まったこちらの方がしっくりきたので、こういう記事に変えましたw

 

ちなみに4章というと、現時点では全体の1/5~1/4ほどの分量となり、ちょっと大変かもしれません。しかし良くも悪くもネタになる作品だと思いますので、余裕がある時に是非チャレンジしていただければと思います。

 

以上となります。では、この記事が良き作品との出会いのきっかけになる事を祈って……。